このページにたどりついたあなたは、おそらくあなたはナダルのように頭の上でフィニッシュするような豪快なスイングをしてみたいと思っているのではないでしょうか?
ウィンドミルとかバギーウィップと呼ばれているあのスイングです。
私も頭の上に振り上げるフォアハンドを習得したいと思い壁打ちで練習し、今となってはある程度使いこなすことができるようになりました。
なぜ習得したかったのかというと、特にナダルに憧れていたわけではなく、カッコつけたかったわけでもありませんw
それは、フォア側に走らされた時にクロスへ簡単に切り返せるからです。フォア側に走らされたときストレートしか打てないのは戦術的に不利ですし、毎回ボールの後ろへ回り込んでクロスへ引っ張るように打つのは困難です。
あなたもおそらくご存知のだと思いますが、頭の上に振り上げるフォアアンドは決してナダルだけのスペシャルなスイングではなく、上手な一般プレーヤーでも普通に使っているスイングです。
(とはいえナダルのエッグボールはすごい…)
ですから、あなたにもできるようになる可能性は大いにあります。事実、平凡な私ですら習得することができたわけですからw
ということで今回は、打ち方の解説というよりもスイングのイメージをつかむためのコツをご紹介したいと思います。
なお、ここではナダルのような頭の上に振り上げるフォアハンドを「ナダルフォア」と表現することにします。
コツ1 ラケットは振り上げない!
ナダルフォアは一見めちゃくちゃラケットを振り上げているように見えますが(実際そうなのですがw)、見た目を真似して振り上げるイメージでスイングしてもなかなかスムーズなスイングになりません。
腕に力を入れて操作してしまい、強引に形だけ真似るような感じになってしまいます。
テニスのスイングには脱力が必要なのはご存知のとおりで、ラケットがだらんと落ちないように支える力と、遠心力でバランスを崩さないようにする程度の力感でスイングしなければならなのはナダルフォアについても同様です。
通常のフォアハンドのように、インパクトの後に自然と腕が折りたたまれて体の前を通過し体の左側に腕が巻き付くようにフィニッシュするのと同じように、ナダルフォアも自然とあのスイングが発生する形にならなければなりません。
そうでないと結局のところボールをコントロールできませんし良いボールも打てません。形だけ似ていれば満足という方ならOKかもしれませんが、きっとあなたはそうではないでしょう。
ですから、まず思い切って振り上げるという概念を忘れてみてください。
コツ2 ラケットを振り下ろしてみよう!そうすればラケットは振り上がってくる!
「振り上げてるのに振り下ろすのか!?」と意味不明かもしれませんがこれから解説しますのでぜひ試してみてください。
まず、テイクバック(ボールに対してラケットが体の後ろにある)の状態から一気に脱力してラケットをそのまま真下に落としてください。このとき、重力に任せるだけでは力不足なので意識してさらに勢いをつけるようにしてください。
感覚が鋭い方はこの時点で「おっ!」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
たとえラケットを振り下ろしたとしても腕と腕の先に持っているラケットは肩を中心に回転し、ラケットはブランコのように前へ振りあがってくるのがお分かりいただけたでしょうか?
ラケットが降り上がってくる感覚が分かったら無理のない程度にどんどん勢いを増していってください。グリップが頭上くらいまで上がったときにはラケットフェイスは下がってくるというあのフィニッシュの形に近づいたら成功です。
あとは下半身を使ってさらに勢いをつけてみるとか、インパクトの面を調整するとかあなた自身で改良していってください。
ラケットが降り上がったとき手の甲が見えていない場合は腕に力が入っている!
ラケットが顔の高さまで降り上がってきたとき、手の甲側が見えていないと腕に余分な力が入っていると考えられます。
完全に脱力して関節をフリーな状態にしていれば、腕はちょうど地面と垂直になったあたりで内側にねじれる(いわゆるプロネーションが発生する)はずです。
例えるなら、ボーリングのような形(手のひら側が見えるフィニッシュ)はうまくいっていない証拠です。ラケットを振り下ろすときに少しだけ筋力を使ってあとは惰性に任せるようにしてください。
コツ3 手首、肘は使わない!でも肩は使う!
ここはかなり大事な部分です。
ナダルフォアを映像で見るとラケットがものすごい勢いで回転しているように見えます。ですから、ついつい手首や肘を回転させてラケットを振り回したくなると思いますが、それはケガの元になるのでやめた方が良いです。
そもそも手首や肘を意識的に使う必要は全くありません。
これは私の感覚なんですが、手首や肘よりも肩を使うイメージがあります。といっても肩をグルグル回すということではなく、脇が閉まっている状態(小島よしおの「うぇ~い」みたいな!?)から肘を持ち上げて脇を開けるような肩の使い方です。
例えるとすると、ダチョウ倶楽部の「和気あいあい」のギャグに近いです。(分からない方は動画を検索してみてくださいw)
分かりにくいかもしれませんが一応画像を載せておきます。
脇が閉まっている状態
↓
脇が開いている状態
手首や肘は一切回していませんが脇を開け閉めするだけでラケットをほぼ180度回転させることができます。
脇の開け閉めは窮屈な状況でも繰り出すことができます。ですから、早いボールに差し込まれそうになって打点が遅れてもスイングスピードを落とすことなくスピンボールを放つことができるのです。
あくまで私の感覚ですので決して無茶はしないでください。確かに手首や肘より大きな筋肉をつかうので故障はしにくいと思いますし、実際に私は肩に痛みや違和感は全くありません。しかし、あなたの場合は分かりません。ぜひ壁打ちや球出し練習で少しづつ感覚をつかんでいくようにしてください。
前述したラケットを振り下ろす流れの中でラケットが降り上がってきてちょうど打点辺りにきたときに、肘を上げて脇を開けるようにしてみてください。(手首、肘は固定)
ラケットがギュルンと回る感覚が分かると思います。このとき脳天にラケットが当たらないように気を付けてくださいw
この感覚がつかめたらもうナダルフォアは完成したも同然でしょう(^^♪
あとはスイングの高さを変えてみるとか、実用的なスイングにするために素振りをするなどして磨いていってください。
多用は禁物!?使いすぎには気を付けよう!
私はナダルフォアを壁打ちを繰り返して打てるようになり、今では打点が詰まったときなどに自然に発動するくらい体に染みついてきました。
結果として早いボールが来ても慌てなくなりましたし、深いボールが来てもスイング方向を前上ではなく外上(右利きなら右上、左利きなら左上)にすることでサイドスピンのかかったボールを打ってしのぐことができるようになり格段にミスが減りました。
なのでついつい使いすぎてしまうのですが、私は頼りすぎても上達しないと思っています。
なぜなら、一般プレーヤーにとってナダルフォアは決して攻撃的なショットではありません。つなぎのボールを打ったり、相手の読みを外すコースに打つことには適していますが、威力はフラットドライブのようなショットにかないません。
走るのをサボってナダルフォアで返球するより、素早くボールの後ろに入りしっかりとフォアハンドを振り抜ける方が強いプレーヤーと言えるのではないでしょうか。
一般プレーヤーにとってナダルフォアはあくまで守備的なショットです。使いすぎや頼りすぎには注意してください。
まとめ
いかがでしょうか?なんとなくナダルフォアができるような感じがしたでしょうか?
ナダルフォアはクロスへの切り替えし以外にも低く浅いボールをすくい上げるとか、スピンロブとか、詰まりそうになった時のディフェンスショットにも使える大変便利なショットです。
打てると打てないではプレーの選択肢が大きく変わってきます。あなたもケガをしないように練習を重ねて習得してみてください。
ちなみに私はアドサイドのリターンでセンターに早いサーブが来た時に、前衛がセンターへ寄るのをチラリと確認してナダルフォアでボールの外側を捉えてストレートへ打ちエースを取ったりしています。
完璧に逆を突くことができるので爽快ですよ(^^)